バンチャクがSAF事業を強化、ニューラルとバンコク都

バンチャクがSAF事業を強化、ニューラルとバンコク都

公開日 2023.11.28

タイ石油大手バンチャク・コーポレーション(BCP)は11月23日、「Regenerative Fuels : Sustainable Mobility」と題するフォーラムを開催し、使用済み食用油(廃食油)などを原料とする「持続可能な航空燃料(SAF)」事業を強化する方針を表明した。同社は既にバンコクのプラカノン地区にある同社製油所の隣接地に100億バーツを投資してタイ初のSAFの製造施設を建設中だ。生産能力は日量100万リットルで、2025年初めに稼働する予定という。

BCPのチャイワットCEO
BCPのチャイワットCEOによる基調講演の様子

同社のチャイワット最高経営責任者(CEO)は同フォーラムの基調講演で、「今日はバイオ・循環型・グリーン(BCG)モデルに対応するため、持続可能な燃料、特にSAFについて話をしたい」と説明。そして、将来の燃料・エネルギーとして現在注目されているのは「e-fuel(合成燃料)」と水素だが、水素はガスの状態で輸送するのが極めて困難であるため、現在は「グリーンアンモニア」の取り組みも進めていると報告した。その上で、バンチャクは第1段階として廃食油などを原料とするSAFの工場を建設中であり、さらにモラセス(廃糖蜜)やセルロースなどを原料とする次世代エタノールを研究開発していることを明らかにした。

同フォーラムではまた、S&Pグローバルのアナリスト、Ji Yang Lum氏が世界のSAF市場の現状と見通しを紹介した。その中で「バイオ燃料は道路輸送向けの需要がピークを迎える中で、航空分野の脱炭素化に活用されるようになる」と指摘。世界のバイオ燃料需要見通しについて、エタノール需要が2030年に日量23億1300万バレルでピークを迎え、2050年には18億0600万バレルと減少する一方、SAFは2022年の500万バレルから2030年には3億4900万バレル、そして2050年には21億4600万バレルまで急増するとの予想データを示した。

世界のバイオ燃料需要見通し(百万バレル/日)
「世界のバイオ燃料需要見通し(百万バレル/日)」出所:S&P Global

人工知能(AI)カメラを活用した画像解析などのサービスを提供するスタートアップ企業ニューラル・グループは11月27日、国土交通省の2023年度スマートジャンプ(Smart City supported by Japan ASEAN Mutual Partnership)調査検討事業を受注し、タイ・バンコク都で画像解析AIを活用した交通違反車両検知業務を始めると発表した。同業務はバンコク都とタイ警察の協力のもと、バンコク都が道路上に設置したCCTVカメラの映像をニューラル独自の画像解析AIによる交通違反車両の検知や特定を行い、スマートで安全な交通環境の実現を図るのが狙いという。さらに、タイ警察による違反事象の確認や違反切符の発行プロセスまでの仕組みの提案や、画像解析結果をAI技術は、既存のCCTVカメラの広範なカメラ画角でも正確に検知できる点に特長があるという。

11月25日付バンコク・ポスト(ビジネス1面)によると、タイ政府観光庁(TAT)は今年の中国本土からの旅行者数が340万~350万人と予想の下限にも達せず、観光収入は1900億~1960億バーツにとどまるとの見通しを明らかにした。TATは2月時点では今年の中国人旅行者数は500万~700万人と予想していた。

TATのチャタン副長官(アジア・南太平洋担当)はこの最新予測は中国経済の低迷と国内旅行へのシフトが理由だと説明した。また、同副長官は中所得者層は依然、海外旅行を行っているものの、予算額は減少しており、一方、高所得者層の購買行動により、海外旅行での平均支出額は5万6000~5万8000バーツと2019年の5万0052バーツを上回る見込みという。

一方、今年上半期の個人旅行のシェアは86%に達し、2019年の61%から大幅に上昇した。また、中国人(香港・マカオを除く)の海外旅行の目的地別シェアではタイは3.3%とトップになったという。2位は日本の2.3%、3位はシンガポールの1.8%という。また中国人旅行者の人気目的地トップ10はバンコク、プーケット、チェンマイ、チョンブリ、クラビ、パンガー、スラタニ、ノンカイ、プラチュアプキリカン、サトゥンとなっている。

タイ政府は今年9月25日に中国人来訪者のビザ免除措置をスタートさせ、中国人来訪者数の回復に期待をかけたが、予想以上の中国経済の悪化、中国人の個人所得の減少が中国人観光旅行の復活を遅らせているもようだ。今後も中国経済の悪化が長期化するのか、タイ経済界も注意深く見守る必要がありそうだ。

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TJRI編集部

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