「ランドブリッジ」始動するか、大麻政策見直しへ

「ランドブリッジ」始動するか、大麻政策見直しへ

公開日 2023.09.26

先週は南部のタイ湾側のチュンポン県と、アンダマン海側のラノン県を結ぶ陸上貨物輸送ルート「ランドブリッジ」構想に関するニュースが相次いだ。23日付バンコク・ポスト(ビジネス1面)によると、タイ運輸省は、将来のタイ経済の新たな起爆剤となることを期待してタイ南部のランドブリッジ構想の環境影響評価(EIA)を実行していることを明らかにした。同構想は40年以上にわたり協議されてきたもので、タイ当局など関係者はマラッカ海峡を通じてインド洋から太平洋に抜ける現行の海上輸送ルートの代替になると目論んでいる。

タイ工業団地公社(IEAT)によると、現在、マラッカ海峡を年間8万5000隻の船舶が通過しているが、今後10年で12万8000隻まで増加すると予測されている。このランドブリッジ構想は地元コミュニティーの間では住民の所得が向上する可能性がある一方で、生活と環境に大きな影響を与えるとの懸念が何度も取りざたされてきた。22日に地元企業家らと話し合うためにチュンポンを訪問したピンパートラ工業相は、「タイ政府は、投資を促進し、労働者のスキルを向上させるとともに、この地域の中小企業を支援する」と強調した。

そして22日付バンコク・ポスト(3面)によるとスリヤ運輸相は21日、ランドブリッジ構想の最新動向を明らかにする中で、同プロジェクトへの投資を呼び込むために中国、欧州、米国で投資家説明会を実施する計画を明らかにした。チュンポン県選出のタイ団結国家建設党(UTN)議員がこのプロジェクトの悪影響に懸念を表明したことを受けたもの。


22日付バンコク・ポスト(ビジネス1面)によると、タイ観光業界は、今後6カ月以内に娯楽用のカンナビス利用を排除するとの方針を明らかにしたセター首相を称賛した。同首相は米ブルームバーグ通信とのインタビューで、違法カンナビス(大麻)ショップが過去1年間、観光業に利益より損害を多くもたらしたとした上で、タイ政府はカンナビスを医療用目的の利用だけに限定するために今後6カ月以内にカンナビス政策を見直すと述べた。
パタヤのサンシャイン・ホテル・アンド・リゾーツの幹部は、「パタヤの通り沿いでは200~300メートルごとにカンナビス店を見つけることができる」と指摘。その上で、ホテルの宿泊客がカンナビスを過剰摂取して昏睡状態となり病院に行くことを求められるケースもあるなど、規制と法執行の緩さは、経済的メリットより、観光業への弊害の方が大きいとの認識を示した。さらに、カンナビス製品の摂取と輸入を禁じられている国からの観光客が当地で購入した一部製品がカンナビスを含んでいることを認識していないことも懸念されると強調。「もしわれわれが医療目的でのカンナビス利用を望む場合、安全な処方を確実に提供できるように法執行を厳しくすべきだろう」と述べた。


22日付バンコク・ポスト(ビジネス4面)によると、再生可能エネルギー、電気自動車(EV)開発大手のエナジー・アブソルート(EA)の今年上半期の売上高が410億バーツ超と過去最高となった。前年同期は275億バーツだった。商用EVとバッテリー需要の増加が原因で、EVとバッテリーの売上高は104億バーツ(前年同期は4億7200万バーツ)と全売上高の25%を占めた。特にEV販売台数は前年同期比24%増の1445台だった。EAによると、タイ国内では年間7万5000~8万2000台のEVが新規登録されている。EAのワス執行副社長(戦略開発・投資計画担当)は、「石油価格の上昇が運輸業者のEVシフトを促している。これがわれわれのビジネスチャンスだ」と述べた。同社によると、今年110億バーツを投資する予定で、その63%は、「ギガファクトリー」と呼ばれるバッテリー生産工場の能力拡大に充当される見込みだ。

TJRI編集部

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