「EVは本当にグリーンか」

「EVは本当にグリーンか」

公開日 2023.09.05

少し前になるが、英エコノミスト誌8月12日号の「あなたの電気自動車(EV)は本当にグリーンか?」というビジネス欄の記事を紹介する。副題は「EVは“肥満”流行のさなかにある」だ。同記事はまず、米新興EVメーカーであるフィスカーのスポーツ用多目的車(SUV)「オーシャン」の紹介から話を始める。フィスカーは8月3日にオーシャンのオフロードバージョンのほか、コンバーチブル車、ピックアップトラックを発表した。そして、フィスカーはサステナビリティ―が創業理念の1つだとしているものの、自動車メーカーの間では、EVでも大型化が一般的傾向になりつつあると指摘。その背景には、EVの大型化で利ザヤが拡大することと、消費者のし好があると説明する。

消費者のし好については、ドライバーが過去数十年、小型車よりSUVやピックアップトラックを選択するようになっており、EVでもこの傾向が強まっていると指摘。さらに走行距離が長くなることを望んでいるため、バッテリーサイズは、2018~2020年まで年率で10%拡大するなど大容量化しつつあるという。

しかし、バッテリーサイズの大容量化は、経済・環境面で3つの課題が出てくるという。1つは、バッテリーが大型化すればするほど、リチウムやニッケルのニーズが高まり、サプライチェーンやメーカーの利益を圧迫すること。2つ目はカーボンニュートラルな方法で大型バッテリーに充電する際には、より低カーボンな電気が必要になり、電力網のボトルネックになること。そして、3つ目がEV生産に必要な稀少資源を圧迫し、手ごろなEVの製造が困難になることだとしている。このため各国政府は、EV走行の長距離化が必要なくなるよう充電インフラを拡充することと、小型車を奨励することが重要だと結論付けている。

8月29日付バンコク・ポスト(ビジネス1面)によると、タイ工業団地公社(IEAT)は地球温暖化対策の一環として、東部ラヨン県のSカーブ産業向けに開発が進められているマプタプット工業団地とスマートパーク工業団地で水素燃料製造の研究を行うため、タイ企業、日本企業合計6社と連携する。IEATのウィーリス総裁は「このプロジェクトはカーボンニュートラル目標の達成を目指すタイを後押しするとともに、クリーンエネルギーをベースとする電気と輸送手段の利用を望む投資家を支援する」と強調。IEATは工業用ガスを製造・販売するバンコク・インダストリアル・ガス(BIG)、国営タイ石油会社(PTT)、タイ高砂、日立造船、タイ国トヨタ自動車、豊田通商(タイランド)の5社と共同研究の合意書に署名した。

  • Facebook share
  • Twitter(X) share
  • Line share

TJRI編集部

Recommend オススメ記事

Recent 新着記事

Ranking ランキング

TOP