ビンファスト株、デビュー後乱高下、中国人旅行者の動向

ビンファスト株、デビュー後乱高下、中国人旅行者の動向

公開日 2023.08.22

ベトナム複合企業ビングループ傘下の自動車会社ビンファストは8月15日、念願の米ナスダック市場への株式上場を果たした。同日の初値は22ドルだったが、37.06ドルまで上昇して引けた。しかし、その後は急落トレンドとなり週末18日には13ドル台まで下落、15.40ドルで終了する波乱の展開が続いた。

ロイター通信が15日伝えたところによると、上場初日の終値ベースのビンファストの時価総額は850億ドルで、米フォードの480億ドル、米ゼネラル・モーターズ(GM)の460億ドルを上回ったという。数年前から米株式市場への上場準備を進めてきたビンファストは2022年12月に米証券取引委員会(SEC)にナスダック市場での新規株式公開(IPO)の登録申請を発表。特別買収目的会社(SPAC)の「ブラック・スペード・アクイジション」との合併により、今回の株式上場を実現した。ただ、ビンファストの普通株の99%をビングループの創業者であるファム・ニャット・ブオン会長が保有しており、浮動株の少なさが乱高下の原因とみられる。

2017年創業のビンファストについては、TJRIニュースレターの2月28日号のコラムで紹介したように、自動車市場新規参入からわずか4年後の2021年7月には、北米と欧州各国に拠点を開設する計画を公表。同年11月には米カリフォルニア州ロサンゼルスに米国本社を開設すると正式発表した。その後、2022年末には電気自動車(EV)の米国輸出を開始。また、米ノースカロライナ州で2025年の生産開始を目指しEV工場の建設に着手している。

16日付のロイター通信によると、ブオン会長が設定した今年の米国での販売目標である5万台を達成するためには、残り5カ月で今年1~7月の販売台数の2倍を引き渡す必要があるという。そして、赤字決算が続いていることから、販売戦略の抜本見直し、コスト削減など課題は山積だ。

8月7日付バンコク・ポスト紙(ビジネス1面)は、「中国本土頼み」というタイトルで中国経済の回復がタイ経済にどのような影響を与えるかを分析する記事を掲載している。同記事は、「中国政府が今年1月に海外渡航を再開すると発表した際には、特に2019年には中国からの旅行者から5300億バーツ以上も稼いでいた観光業などタイのすべての産業分野は、熱狂的にこのニュースに反応した」と話を始める。それ以来、中国本土では経済の弱々しい回復から中間所得層の給与は減らされ、旅行に消費する代わりに貯蓄を検討するようになっているという。そしてタイ政府観光庁(TAT)は、今年の中国人旅行者数を400万人、その観光収入は2500億バーツと、2019年の水準の半分になるとの予測を明らかにしている。

TATのユタサック総裁は、数年続いたロックダウン後の旅行需要があるため、中国人旅行者の今年の1人当たり消費額は影響を受けず、高い購買力を持つ個人旅行者の増加を後押しするだろうと指摘。ただ、もし中国の雇用者の平均所得の減少が来年まで続いた場合、2024年のタイ観光市場は従来予想ほどは伸びないだろうとの見通しを明らかにした。同記事は結局、「中国の迅速な景気回復への期待は強いものの、タイの観光や他の産業分野は、その低調なペースに失望している」と要約している。

8月18日付バンコク・ポスト紙(ビジネス1面)は、やはり中国経済の低迷に伴う旅行業の予約数の減少予想を紹介している。タイ観光産業協会(TCT)のスラワット副会長は、各旅行業者は、10月の国慶節の大型連休期間の予約状況が例年に比べ低調だと報告していることを明らかにした。同副会長は、この予約状況の低調さは中国の景気回復の遅れに起因していると指摘。例えば不動産開発大手「碧桂園」の社債償還の遅れが国内景気への懸念につながっているという。さらに、中国政府が地方部での消費を喚起するために国内旅行を奨励していることも影響を与えているという。

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TJRI編集部

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