「ゼロベース予算」とは、前進党とバンコク都知事の協力

「ゼロベース予算」とは、前進党とバンコク都知事の協力

公開日 2023.06.13

前進党主導の連立政権樹立に向けて8党が合意した政策覚書(MOU)の23項目のうちの13番目に盛り込まれたのが「ゼロベース予算」の実現だ。6月7日付バンコク・ポスト紙(ビジネス2面)は、一般には聞き慣れないゼロベース予算(ZBB)とは何か、そのメリット、デメリットを解説している。同記事はまず、前進党は現行の予算編成システムは官僚制度の弊害から国民のニーズに対応していないため、現行システムの代わりにZBBの実行を提案したとする。

同記事によるとZBBは「前年度予算をベースに必要に応じて調整するのではなく、新年度の経費を正当化することを政府当局に求めるプロセス」であり、必要性とコストに基づき、組織内のすべて機能をゼロベースで分析することから始め、予算の使い方の効率性を高めるのが目的だと説明。財務省予算局は、特に既存プロジェクトとは関係のない新規の投資予算を準備する時などにこのZBBのコンセプトを適用するという。

そして、このZBBは伝統的な予算編成方法に比べ、コスト削減、予算の柔軟性確保、国家戦略や国家の必要性への適応といった多くの点でメリットがあると指摘。さらに、前年度予算を検証し、予算が長期間徐々に膨らんでいってしまうケースなど、予算の配分ミスを防ぐ役割を果たせる効果もあるという。一方でZBBは実行が極めて困難で、予算をゼロから作るために、伝統的な予算編成に比べ、より多くの時間を費やしてしまうと強調。このため、予算の実行が遅れ、例えば景気刺激策で景気を浮揚する時間が少なくなってしまうというデメリットがあるとしている。

バンコク都のチャチャート都知事絡みの記事を2本紹介しておく。6月7日付バンコク・ポスト紙(3面)は、前進党のピター党首が6日にバンコク都のチャチャート都知事と面談し、交通渋滞、洪水、大気汚染などバンコク都の21の主要課題の取り組みへの協力を約束したと報じた。同知事は、この会合はバンコク都庁と予想される次期政権とのスムーズな協力に向けた良いスタートになると表明したという。前進党は今回の下院総選挙で、バンコク都の33議席中32議席を獲得している。ピター党首は、バンコク都庁との緊密な協力を目指しているとした上で、「都知事1人だけでは効果的に(政策を)遂行できないので、前進党の32人の議員の協力を求めているとの意向を受け取った」と述べた

一方、6月5日付バンコク・ポスト紙(1面)によると、タイ国立開発行政大学院(NIDA)の最新調査(5月24~30日)で、就任後1年経過し選挙公約が実現したかとの質問について27.7%が満足していると回答したという。就任半年の12月4日時点での調査の38.93%よりは低下しているものの、全体の実績に対する評価では45.5%が満足していると答え、高水準を維持していると分析している。

6月5日付のバンコク・ポスト紙(1面)は、タイの仏教絡みの祝日を禁酒日とする法律への賛否に関する議論が高まっていると報じている。特に前進党の幹部は、この禁止制度は個人の自由を不必要に規制するものだとして反対しているという。同党幹部のアマラット氏は4日、6月3日のウィサカブーチャ(仏誕節)が禁酒日だったことについて、この禁酒制度に反対するとの見解をソーシャル・メディアで表明。この禁酒制度は、国民が仏教以外の宗教を信仰する権利を保障する憲法に違反していると主張している。一方で、禁酒団体「ストップドリンク・ネットワーク・オフィス」の幹部は、タイの禁酒日の制度は、世界保健機関(WHO)のガイドラインに沿ったものであり、「この禁止措置はアルコールの購入・販売ができる場所へのアクセスを規制するものであり、消費を禁止するものではない。人々は自宅やどこでも消費するために在庫を持つことはできる」と強調した。

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TJRI編集部

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