タイ初の水素ステーション開設、トヨタ初のBEV投入

タイ初の水素ステーション開設、トヨタ初のBEV投入

公開日 2022.11.15

先週はタイ国トヨタ自動車(TMT)絡みの大きなニュースが2件続いた。まずTMTと国営タイ石油会社(PTT)、米系の産業ガス大手バンコク・インダストリアル・ガス(BIG)など4社は8日、タイ初となる水素ステーションを東部チョンブリ県に開設したと発表。BIGが供給する水素を動力源にしたトヨタの燃料電池車「ミライ」を、ウタパオ空港とパタヤなどとの間の旅行者向けリムジンサービス用車両として投入し、水素ステーション利用の実証実験を行う。

PTTのアタポン社長兼最高経営責任者(CEO)は、タイにとっては、「燃料としての水素の利用は新たな経験や知識が必要な今までにない革新だ」と指摘。高い安全性を確保しながら水素供給をするための消費者の信頼感構築にはパートナーとの協業が必要だったと訴えた。BIGのピヤブット社長は、「BIGの水素は環境に優しい製造技術を使ったクリーンエネルギーだ」とした上で、自動車燃料としての水素の利用は、タイが温室効果ガス排出ネットゼロを達成するための重要なステップだと強調した。

さらにTMTの山下典昭社長は「トヨタは、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)バッテリーEV(BEV)、燃料電池車(FCEV)などをそろえ、カーボンニュートラルに向けたMultiple Pathway戦略を取っている」と説明。その上でこのプロジェクトで使うFCEVのミライは顧客のさまざまなニーズに応える一つの選択肢を提供するだろうと述べた。

さらにTMT9日、トヨタ初の量産型のバッテリー電気自動車(BEV)「bZ4X」をタイ市場に投入したと発表した。タイで販売するのは四輪駆動(4WD)のスポーツ用多目的車(SUV)で、BEV専用の低重心、堅牢ボディーのプラットフォーム「e-TNGA」を採用したという。同社はタイ政府のEV普及促進制度に参加しており、販売価格は183万6000バーツに設定した。TMTの山下典昭社長は、「今年はTMT創立60周年だ。われわれには二酸化炭素排出削減の具体的取り組みを実行してきた歴史がある。10年以上前にカムリのハイブリッド車(HEV)を投入して以来、HEVのラインナップを拡大し、現在までに約15万台のEVを販売、CO2を80万トン削減する貢献をしてきた」とアピールした。


タイの製糖大手ミトポン・グループと、同社が協力して東北部のコンケンに開設されたコンケン・イノベーション・センター(KKIC)は8日、12月9~12日にKKICとその周辺などで、イサーン地方では最大規模の「イサーンBCGエキスポ2022」を開催すると発表した。イサーン地方を経済ハブに発展させることで、タイ経済を東南アジア諸国連合(ASEAN)域内で拡充するのが狙い。さらに、工業や農業を国際標準に近づけるためにバイオテクノロジーのイノベーションを加速させるという。展示会と同時に「イサーンBCGフォーラム2022」も開催する。両イベントには、KKICやミトポンのほか、バンコク銀行、バンプー・ネクスト、タイスマイル航空、タイ国家イノベーション庁(NIA)、タイ政府観光庁(TAT)、コンケン県庁など50以上の企業、政府機関が参加するという。


6日付のバンコク・ポスト紙(3面)によると、新党・タイ未来構築党の会長であるソムキット前副首相は5日にウボンラチャタニ大学で行われた講演で、同党の選挙公約の一環として、農家の債務返済の5年間の猶予や肥料代への補助金支給、政府の福祉制度の改善などを約束した。同氏はタクシン政権時代に「ビレッジファンド(農村基金)」や「一村一品(OTOP)」プログラムにかかわっており、「われわれは農村基金の拡充と、OTOPプロジェクトの復活、農村観光の促進も行う」と述べた。

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TJRI編集部

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