サイアム・クボタ、農家と持続可能な社会目指す

サイアム・クボタ、農家と持続可能な社会目指す

公開日 2022.09.20

クボタのタイ子会社サイアム・クボタは9月6日、バンコク市内で今年の経営方針・戦略について記者会見を行い、タイ農業の競争力を高めて高付加価値農業へと導くため、「Better Together」をコンセプトとし、農家と一緒に持続可能な社会を目指す「3EX戦略」を今年後半にも開始することを明らかにした。

サイアム・クボタのピサヌ副社長兼セールス・マーケティング・サービス部長(右)= 9月6日、バンコク

同社のピサヌ副社長兼セールス・マーケティング・サービス部長は、「農業を新たに始める人が増えて農業機械の需要が増えている。新型コロナウイルス流行を背景に都市部で就農が進む一方で、農業従事者の減少による農業機械への依存度の高まりもあり、2022年上半期の農業機械市場は約10%成長した。具体的には食用およびエネルギー用作物への世界の需要増加で価格が上昇したキャッサバ、サトウキビ、トウモロコシ、ゴム、アブラヤシ用のトラクター需要が拡大した。また、価格や天候改善による生産性の向上、スマート農業や、サトウキビや稲わらの野焼きを減らす『ゼロ・バーン』政策も農業機械の普及に大きく貢献した」と述べた。

同副社長は「これまで農家に販売してきたが、最近では非農家、例えば会社員も農業に目を向けるようになり、新たなターゲットに対応したマーケティングや商品開発が必要になっている。機能的、高品質な製品の開発、農家のコスト削減のためのソリューション、生産性向上のためのコンサルティングなど、農家の生活の質を持続的に向上させるBetter Togetherのコンセプトでマーケティングを行っている」と説明した。

さらに今年下半期は、①「EXperimentation」= 農業ソリューションを開発し、多くの機関と連携して農業イノベーションに関する知識を高める ②「EXperience」= クボタファームでスマート農業の革新的ソリューションを紹介、農家や一般消費者に知識を広める ③「EXpansion」= クボタの農業コミュニティープロジェクトとサイアム・クボタが農家に協力し、持続可能な社会に向けて共に前進できるようタイのすべての農家に知識を普及させていく-という「3EX」戦略により、ブランド体験を高めてタイ農家の競争力を強化していくと説明した。


15日付のバンコク・ポスト紙(ビジネス3面)によると、タイ国家イノベーション庁(NIA)は、タイが7年以内に衛星を打ち上げ可能な10カ国に入るという政府目標を達成するために国内の宇宙関連スタートアップ企業への支援を強化している。NIAのパンアート事務局長は14日に開催された今年が2年目となる「宇宙経済:2020離陸」プロジェクトのピッチングイベントで明らかにした。この取り組みは、国内に宇宙技術イノベーションのサプライチェーンを創出し、世界の1兆ドルに達する宇宙産業の生産サプライチェーンに加わることができるようにするもので、同イベントには15社が参加した。

同事務局長は、宇宙技術は、バーチャルリアリティー(仮想現実)やメタバースのように、多くの国から関心を集めている大きなトレンドになっており、民間セクターがけん引する新しい種類の宇宙経済は政府や関連機関が独占してきた伝統的な宇宙経済とは異なるとの認識を示した。さらに宇宙関連製品の開発は製造業分野に付加価値をもたらし、政府が重点を置く「新Sカーブ産業」のハイテク分野への投資を刺激し、産業ロボット、航空・ロジスティクス、デジタル産業などに年間4000億~5000億バーツの外国からの投資を呼び込むとの見通しを示した。タイ国内には宇宙産業の川上、川下に1000社以上の会社があり、その合計の経済価値は300億バーツ、年間成長率は約10%だという。同事務局長は「東部経済回廊(EEC)には、衛星部品を作る数十の工場がある。ロボットを作っている一部の工場は衛星部品も作り始めている」と述べた。


バンコク・ポスト紙は12日付のビジネス4面で、「Firms gear up for EV drive」というタイトルの詳細なEV特集を組んでいる。「EV市場はタイの産業刷新に不可欠とみられており、投資が流入している」がサブタイトル。先行する中国・上海汽車グループで「MG」ブランドの自動車を販売するMGセールス(タイランド)、中国・長城汽車(GWM)のタイ現地法人グレートウォール・モーターズ(タイランド)、そしてタイ日産自動車、マツダ・セールス(タイランド)、さらに電動ボート、電動バス、バッテリー生産に参入しているエナジー・アブソリュート(EA)、台湾・鴻海精密工業(フォックスコン)と合弁事業を開始している国営タイ石油会社(PTT)の幹部がインタビューに応じている。

TJRI編集部

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