タイ潤滑油大手P.S.P.スペシャルティーズがパートナー募集 〜特殊技術、サステナブルソリューション事業の投資パートナーなど〜

タイ潤滑油大手P.S.P.スペシャルティーズがパートナー募集 〜特殊技術、サステナブルソリューション事業の投資パートナーなど〜

公開日 2023.12.06

TJRI(タイ日投資リサーチ)では10月24日、タイ企業のニーズを日本企業向けに発信するオンライン説明会『Open Innovation Talk』の第20回として、タイの総合潤滑油メーカーであるP.S.P.スペシャルティーズに登場いただいた。今年8月にタイ証券取引所(SET)に上場したPSPは、事業の多角化と新製品の開発に注力しており、食品用グリースや電気自動車用の潤滑油の開発パートナー、持続可能な経済社会に向けたリサイクル事業や再生可能エネルギー事業関連の技術パートナーを探している。

セークサン・クローンパーニット副最高経営責任者(副CEO)と、経営戦略部のマネジャー、キーラティ・テムシリポン氏が事業概要や潤滑油市場の見通し、今後の戦略などについて報告した。

潤滑油のリーダーで、物流サービスやEコマースなども提供

Q. 事業概要と傘下企業は

セークサン氏:P.S.P.スペシャリティーズ(PSP)は1989年に設立され、変圧器油のトレーディング事業から始まった。現在では製品開発から物流まで、ワンストップサービスを手がけている。さらに、事業を多角化するために、物流やEコマースなどさまざまな分野に投資している。今年8月にタイ証券取引所(SET)に上場した。当社のビジョンは、潤滑油市場のリーダーとなり、新たな事業への投資機会を拡大することだ。

また、PSPはサムットサコン県ターチン川の近くにに位置し、大量の原材料を河岸にある自社の桟橋で受けることができ、立地的な優位性もある。

PSPの歩みと傘下企業、PSP Specialties
「PSPの歩みと傘下企業」出所:PSP Specialties

PSPには現在、以下の5つの傘下企業がある。

(1) U.C.Marketing:トレーディング事業会社

(2) P.S.P. Logistic (Thailand):物流会社

(3) Special Interfreight:物流会社

(4) P.S.P. Ventures:新Sカーブ分野のベンチャーキャピタル(VC)

(5) Pacific-PSP Syntech (PPS):ミャンマーのパートナーとの合弁会社

Q. PSPの主要製品は

セークサン氏:PSPの主要製品は次の4つだ。

PSPの主要製品、PSP Specialties
「PSPの主要製品」出所:PSP Specialties

(1) 潤滑油:タイとミャンマーの工場の合計生産能力は年間約2億リットルと、タイ最大規模の生産能力を持つ。自動車用潤滑油と工業用潤滑油の両方を生産

(2) グリース:生産能力は年間約27000トン

(3) ゴム加工油:生産能力は年間4000万リットル

(4) 変圧器油:生産能力は年間2500万リットル

他には、P.S.P.スペシャリティーズを通じて輸入したベースオイル(原油)と、U.C.Marketingを通じて輸入した添加剤などの製品もある。

Q. サービス事業はどんな企業か

セークサン氏:PSPは次の4つのサービス事業を行っている。

「PSPのサービス事業」PSP Specialties
「PSPのサービス事業」出所:PSP Specialties

(1)燃料ターミナル

サムットサコン県にあり、貯蔵・配送容量は年間最大36億リットルだ。タイの中部地方の南側から西部、南部地方の北側までの燃料流通をカバーしている。

(2)物流サービス

自動車部品や冷凍食品でも輸送可能で、タイと国境を接する国への国境越えの輸送サービスを手掛ける「P.S.P. Logistic (Thailand)」と、航空と水上輸送を行う「Special Interfreight」−の2つの会社がある。

(3)物流センター

顧客のために製品を保管し、さらに最終顧客に配送サービスも提供する。面積は2万平方メートル以上。

(4)Eコマースのプラットフォーム

「WhatsEGG (Thailand)」というB2Bプラットフォームを 「Eggmall」というアプリを通じて提供。自動車部品や潤滑油などの商品が100万SKUs以上販売されている。主要顧客は自動車修理工場で、現時点の登録会員は2万人以上。

潤滑油でタイ最大の生産能力、ゴム加工油と変圧器油でも最大シェア

Q. PSPの強みは

セークサン氏:PSPは潤滑油ではタイ最大の生産能力を持つ独立系大手メーカーで、潤滑油とゴム加工油、変圧器油の3つの製品でタイ国内最大のシェアを持っている。また、ワンストップサービスを提供し、さまざまな種類の製品を生産し、30カ国以上に輸出している。さらに、創業以来、研究開発(R&D)に重点を置いており、R&Dや品質管理(QC)担当は50人以上いる。また、経営陣にはさまざまな業界からの経験豊富なメンバーが参加している。

Q. ASEANの潤滑油市場の見通しは

キーラティ氏:東南アジア諸国連合(ASEAN)の潤滑油の市場規模は30億リットル以上で、2026年には40億リットルまで拡大すると予想されている。PSPは約3000万リットル以上の潤滑油を輸出しているが、ASEAN市場のわずか1%にすぎないので、成長余地はまだ大きい。

EV用やグリーン製品、持続可能性事業の拡大を目指す

Q. PSPの戦略と今後の方針は

キーラティ氏:PSPは3つの戦略を掲げている。

(1)リーダーシップを強化

リスクを分散し、グリースや変圧器油などの利益率と成長性の高い製品の売上比率を高める。ブンロードグループの子会社の「Boonrawd Supply Chain」と合弁会社を設立し、ブンロードグループのサプライチェーンと物流に利用する潤滑油を生産する事業例もある。

(2)4つの製品分野を強化

 ① 食品産業向けの潤滑油:タイは食品産業に強みがあるためだ。日本企業は食品用潤滑油を作るノウハウを持っていると考えており、ぜひ協業したい。

 ② 多目的の潤滑油:「Protech」と「Master」というブランドを今年末より発売を予定している。

 ③ 電気自動車(EV)用各種液体(EV Fluid):「Lubrizol」という会社と協力し、電気自動車用冷却液やグリースなどの電気自動車用製品を開発する。

 ④ グリーン製品:パーム油を原料にしたバイオゴム加工油やバイオ変圧器油などの研究開発を行っている。

(3)持続可能性と新Sカーブ事業の拡大

タイ証券取引所(SET)のThailand Sustainability Investment(THSI)銘柄に入ることを目指し、デジタルトランスフォーメーション(DX)とESGに取り組んでいる。2024年には、使用済みの化学品をリサイクルして再利用するなどの化学廃棄物リサイクル事業を行う会社「Recycle Engineering」に出資する予定だ。

特殊技術、サステナブルソリューションの投資パートナー募集

PSPは次の分野でパートナーを募集している。

(1)潤滑油の特殊製品技術
・潤滑油の特殊製品群の生産技術。特にグリースの効果的な生産技術(配合、技術、生産ノウハウなど)
・食品用潤滑油の生産技術(生産ノウハウなど)

(2)再生可能エネルギー事業およびサステナブルソリューション事業の投資パートナー
・太陽光発電、風力発電、水力発電、リサイクルなど

(3)顧客とマーケットの拡大

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TJRI編集部

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