製糖業界のリーディングカンパニーが求めるバイオ技術〜Mitr Phol Group〜

製糖業界のリーディングカンパニーが求めるバイオ技術〜Mitr Phol Group〜

公開日 2021.09.14

60年以上の歴史を誇る、アジア最大の製糖企業「Mitr Phol Group(以下ミトポン)」。タイはもとより中国やラオス、インドネシア、オーストラリアにも進出し、世界第6位の市場規模を誇るサトウキビ生産と製糖事業のリーディング・カンパニーです。

近年は、タイの国家戦略であるBCG(バイオ・循環型・グリーン)経済モデルの促進にも力を入れるなど、さまざまな業界が熱視線。そんな同グループが今後力を注いでいきたいと考えているのが、バイオ技術を活用した原料や製品開発なのだそう。日本企業が協業できるビジネスチャンスはどこにあるのか。ミトポンCOOのMr. Pravit Prakitsri(プラウィット氏)に尋ねました。

今後、鍵を握るのは「バイオベース(Bio-based)」

ガンタトーン:
プラウィットさんは長期に渡り、エネルギー業界で活躍されていると伺いました。

プラウィット氏:
私はミトポンに17年間在籍しており、それ以前は製糖事業など同様の業界に身を置いてきましたが、ミトポンでは特にバイオ燃料事業、バイオエタノール生産のバイオリファイナリー複合施設の開発、バイオマス発電に関する政策などバイオ燃料とガソールの消費の促進に努めてきました。

ガンタトーン:
グループとしての現在の取り組みを簡単に教えていただけますか?

プラウィット氏:
現在、弊社の売り上げの63.9%は製糖事業、25.7%がエネルギー事業、そして7.6%が木材の代替事業となっています。タイにおける製糖工場は8カ所、発電工場は12カ所、エタノール工場は4カ所など生産拠点をさまざまにあり、サトウキビの栽培面積は全250万ライ(約40万ha)、年間約2500万トンの砂糖を生産していますが、そういった農産物を今後どのようにバイオ技術を使って代替エネルギーへと転換できるかが大きな鍵になると考えています。

ミトポンが目指す「サーキュラー・エコノミー」とは

ガンタトーン:
具体的にはどのような方針で展開されていくのでしょう?

プラウィット氏:
持続発展可能な事業を展開していくために、「RESILIENCE(回復力)」がポイントになると考えています。弊社はこれまで製糖事業を柱に成長を続け、第2ステージとしてバイオマスやバイオエタノールなどを使った代替エネルギー事業が新たに加わりました。事例としては、消費者の健康志向の高まりに合わせた品種改良、バイオマス発電やCO2 の代替エネルギー化、バイオエタノールによる有機肥料生産などです。

そして今後迎える第3ステージでは、バイオベースを中心とした製品の付加価値をいかに高めていくかが重要だと考えています。これを実行することが、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)の実現に繋がるでしょう。そのために、タイの新たな国家戦略であるBCG(バイオ・循環型・グリーン)の取り組みも欠かせないと考えています。

日本企業に期待する「バイオ技術」と「マーケティング力」

ガンタトーン:
現在、思い描いている具体的なパートナー像を教えてください。

プラウィット氏:

まず1つ目の「製糖による副産物を活用して新たなサービスを開発できるバイオ技術」をお持ちの企業の方々とは、主にバイオ技術を使った食品添加物と、バイオプラスチックの開発・生産を実現したいと考えています。弊社には農場や試験場を含めたさまざまな生産拠点や農産物・副産物がありますので、それらをご活用いただきながら開発を進めていただくことが可能です。昨年収穫したサトウキビ2000万トンから出たバガス(搾りカス)は年間90万トン、葉は年間30〜40万トンでした。

2つ目の「飼料用のバイオベース原料関連の技術」では、抗生物質の代替品をはじめ、畜産用の飼料、動物を対象としたヘルスケア製品(酵母を原料とした付加価値の高い製品)開発を実現できる技術を持った企業を求めています。弊社では、酵母はもともと肥料に使われていましたが、研究により飼料にも用いることができるようになりました。しかしながら、まだまだ伸びしろがあります。今以上に付加価値のある飼料へと展開するために、皆さんと一緒に研究できればと考えています。

そして3つ目の「グローバル市場に向けた製品展開を行うためのマーケティング」では、弊社のブランド・商品が新たな国へ進出する際に、商品開発から販路開拓・販売促進まで共に取り組んでいただけるパートナーを求めています。商品は栄養補助食品、健康食品、プレバイオティクス食品やバイオプラスチック製品、イースト(酵母)由来の家畜飼料、バイオ肥料、有機質肥料、砂糖・砂糖関連食品、タピオカでん粉・加工でん粉など多岐に渡ります。

弊社はこれまで自社グループ内で多くのプロジェクトに取り組んできましたが、日本企業の皆さんと協業し、お互いのさらなる発展へと繋げていきたいと思います。

TJRI編集部

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