タイ、EECで先進国入り目指す

タイ、EECで先進国入り目指す

公開日 2022.09.20

4年半前、タイ経済を初めて取材するようになってすぐに出会った言葉が「タイランド4.0」と東部経済回廊(EEC)だ。タイが「中所得国の罠」を脱するための国家経済戦略として地元メディア上で繰り返し登場し続けた。タイランド4.0はこのコラムでも何度か取り上げたように徐々にバイオ・循環型・グリーン(BCG)という言葉に置き換わりつつある。

しかし、リアルな場所は今でもEECだ。タイ東部のチャチュンサオ、チョンブリ、ラヨーンの3県に製造業の工場、そしてインフラが着実に蓄積しつつある。そこではこれまで日本企業の存在感が大きかった。しかし、先週、タイの工業団地・倉庫事業大手WHAグループが中国電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)とEV工場用地の売却契約を結んだと発表したことで、大きな潮流変化がより顕在化しつつある印象だ。自動車の動力源が本当にすべて電気になるのか個人的には疑問を持っているが、タイはそうした世界のトレンドにひたすら追随することで、先進国入りを目指しているように見える。

BYDのタイ工場建設のインパクト

この記事は有料会員限定です。
続きを読むには有料会員契約へのお申し込みが必要です。

すでに有料会員の方
ログイン

無料会員の方
(※お問い合わせから有料会員に変更希望の旨、ご連絡ください。)
お問い合わせ

会員ではない方
有料会員お申込み

  • Facebook share
  • Twitter share
  • Line share

TJRI Editor-in-Chief

増田 篤

一橋大学卒業後、時事通信社に入社し、証券部配属。徳島支局を経て、英国金融雑誌に転職。時事通信社復職後、商況部、外国経済部などを経て、2005年から4年間シカゴ特派員。その後、デジタル農業誌Agrioを創刊、4年間編集長を務める。2018年3月から21年末まで泰国時事通信社社長兼編集長としてバンコク駐在。TJRIプロジェクトに賛同し、時事通信社退職後、再び渡タイし2022年5月にmediatorに加入。

Recommend オススメ記事

Recent 新着記事

Ranking ランキング

TOP